私の勤めていた病院や接骨院には毎日のようにスポーツをしている学生が来院していました。
その中で怪我が多い子には共通している事がありました。
今回は一般の方向けに学生のスポーツ障害の原因と対策についてお伝えして行きます。
まず怪我には2種類あります。
①ぶつかったり転んだりして直接怪我をするパターン
②何回も同じところに刺激が加わり怪我をするパターン
です。
皆さんも思い返してみるとこのどちらかに当てはまるかと思います。
治し方は2つとも安静にしていると治ります。
ただ②のパターンの怪我は改善を行わないとまたすぐに同じところを痛めてしまいます。
どんな所を注意し改善をしたら良いかをまとめました。
学生のスポーツ障害の原因と対策
1.成長期の為、軟骨が傷つきやすい
身長が伸びる時期だと、骨を長くして身長を伸ばす成長線があります。
この成長線は軟骨の為柔らかくねじれや遮断されるような力に弱いです。
野球のピッチャーの方やゴルフの腰の捻りなどで骨に負担がかかる可能性があります。
痛みが出たり繰り返すようであれば早急に改善が必要です。疲労骨折につながる場合があります。
対策
ひねり動作の回数制限を行います。つまり骨に負担のかかる成長期の間は無理をせず練習頻度の改善を行います。コーチや監督が知っている可能性もあるので相談するのも良いと思います。野球は全力投球における制限を積極的に行っているところが増えてきました。
現状プロを目指している子は回数制限を行うのが難しい場合もあります。
病院や監督と相談して決めて行きましょう
2.姿勢が悪い
一般用語で猫背と言われるものですが、スポーツ時のフォームが崩れる為骨や筋肉に負担がかかります。
サッカーのオスグッドと言われる膝のお皿の下部分の成長期の痛みや野球のピッチングフォームの崩れにもつながります。
対策
勉強、ゲームやスマートフォンをやるときは30分から1時間おきに背伸びをしたり、胸を貼って顎を引いて深呼吸を10回行います。
他には胸椎の回旋運動等を行います。
Youtubeなどで調べると結構出てきますが、無理に行うと体を痛める可能性もあるので注意してください。
3.左右の差が大きい
競技特性にもよりますが身体を上手く使えていません。
左右全く同じでないといけないと言うことはありませんが、
立った状態での足にかかる圧をなどを測った時に左右差が大きかったり、正面から体の写真を撮ったときに傾いていたりする子はバランスがとりづらいので怪我をしやすい子が多いです。
対策
片足立ちやバランスボードで左右同じように刺激を与えバランス感覚を鍛える。
足でタオルを掴み足の裏の神経に刺激を与える。
視力が低下していたり左右差がある場合もパフォーマンスに影響が出る場合もありますので、目の症状が気になる場合は眼科などで見てもらいましょう。
個々によって体の使い方は変わるので体の使い方もっと詳しく知りたいと言う場合は、身体を直接見てもらえるスポーツトレーナー、柔道整復師、理学療法師の先生にアドバイスをもらいましょう。
4.体が硬いまたは柔らかすぎる
体が硬いと同じところばかりを使ってしまうので、負担がかかりやすく怪我をしやすいです。
緊張している時って体が硬く上手く使えないですよね。
これは①のパターンの怪我にも繋がります。
また柔らかすぎる子は一見良いように思ますが、関節が必要以上に可動してしまい本来加わらなくても良い所に負荷がかかってしまう為柔らかすぎも怪我に繋がりやすくなります。
対策
硬い場合にも柔らかすぎる場合にもメリットはあります。
硬い方は体の固定がうまいので力を出しやすいです。
また柔らかすぎる方は色んな動きに柔軟に対応ができます。
なので一概に悪いとは言えませんが、
体が硬い方は「体が硬いのは昔から」と諦めずに、普段からストレッチなど体のケアを行えば体にかかる負担を減らす事ができます。習慣が大事です。
柔らかすぎると言う方は体幹トレーニングや呼吸のトレーニングなどを行い体の力を上手くコントロールできるようにすると怪我が減らせます。
5.練習量が多すぎる
多すぎると骨や筋肉の回復が間に合わず、骨や筋肉の傷が治らなくなります。
練習量>回復量
とならないよう注意しましょう。
野球であれば
練習日数と時間については、小学生では、週3日以内、1日2時間をこえないこと、中学生・高校生においては、週1日以上の休養日をとること。個々の選手の成長、体力と技術に応じた練習量と内容が望ましい。
引用 日本臨床スポーツ医学会学術委員会資料
https://www.rinspo.jp/pdf/proposal_03-1.pdf
と提言がされています。
対策
本人親コーチ監督と怪我への理解を深め相談し合うことです。
しっかり話し合える環境があることもスポーツをやるにおいて非常に大切です。
6.栄養が摂取できていない
こちらは前のブログでも書いていますのでご参照ください。
体をつくる栄養とても大切です。
7.そのスポーツを行う為の筋肉が少ない
骨や関節にかかる負荷が増えます。
しかし筋肉をつけ体を重くしすぎても怪我のリスクは高まるので難しい所です。
競技にあった体づくりをしてもらえると良いです。
対策
短期的な改善としては練習量の調節、
長期的な改善として食事量を増やし体を大きくすることです。
すぐに改善ができるものではないので気長に行って行きましょう。
まとめ
ここまで学生に怪我が多い原因と対策を書きました。
怪我をしてしまうと大好きなスポーツもできなくなってしまいます。
病院や接骨院に来る学生のほとんどは1つの原因ではなく複数の原因を持っている事が多いです。
これらには本人、親御さん、監督、医療スタッフが一丸となって向き合っていく事が大切です。思春期の子たちは悩みを打ち明けるのが難しい場合もあり、接骨院に来るほとんどの学生達は監督に意見が言えません。
大人がしっかりと子供の心を考えてフォローを行って行きましょう。
私の個人的なアドバイスとしては身長が伸び切るまでは、運動神経も伸びるゴールデンエイジと言われている時期です。
メインのスポーツが休みのときは生き抜きで色々なスポーツをやり、普段使わない体の部分や脳を使ってあげると良いと考えております。
一番大切なのは子供たちにスポーツをすることは楽しいと心から思ってもらえる事です。
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最後までお読み頂きありがとうございました。
世界をもっと健康にする情報発信者 K
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